お知らせ| 2023.11.07

童話作家・村山籌子の生誕120年です

こんにちは、JULA(ジュラ)出版局です。

2023年、これまで童謡詩人・金子みすゞ生誕120年にまつわる企画をいろいろご紹介していますが、JULAがたいせつにしているもうひとりの作家も、今日生誕120年をむかえました。
童話作家・村山籌子(むらやま・かずこ)です。

1903年11月7日、薬種問屋岡内千金丹本舗の長女として、香川県高松市に生まれます。高松高等女学校を経て、東京で自由学園高等科に学んだ籌子は、卒業後、婦人之友社の記者となります。やがて『子供之友』編集者から童話作家へ。挿絵画家・村山知義(むらやま・ともよし)と結婚後は、夫知義の童画との合作で童謡と童話を意欲的に発表しました。1946年8月4日に亡くなっています。
籌子の童話は、明るく楽天的。動物や食器や道具を主人公に、子どもらしいかんちがいやいきちがいが、奇跡の展開でみごと解決。ウィットとユーモアとにあふれています。
また、童謡もなんともいえないおかしみがあります。ひとつご紹介しましょう。


もしも あめの かわりに

もしも、あめの かわりに
ねこだの
いぬだの
ねずみだのが ふってきたら
まあ、
どんなに おかしいでしょうね。

そして、
それが、
いくにちも
いくにちも
ふりつづけたら、
まあ
せかいじゅうは
ねこだらけ、
いぬだらけ、
ねずみだらけに
なるでしょうね。
(『村山籌子作品集1 リボンときつねとゴムまりと月』収録)

パンデミック、戦争、人種差別……世界じゅうで、幼い子どもたちがまきこまれる痛ましい事態が絶えません。すべての子どもたちが、おなかのそこから笑って、元気に明日にむかえる世になることを願いながら、童話や童謡を書きつづけた村山籌子の作品に、この機会にふれていただけるとうれしいです。

〈村山籌子の本〉
リボンと きつねと ゴムまりと 月
あめが ふってくりゃ
川へ おちた たまねぎさん