金子みすゞイベントレポート| 2024.06.07
京都・龍谷大学で金子みすゞ展
6月5日より、京都で「童謡詩人金子みすゞ~まなざしの源泉~」展がはじまりました。
会場は龍谷大学大宮学舎本館。明治12年(1879年)に建築された日本で唯一の木造石貼り建築です。この150年近く前に作られた立派な建築の1階の展観室で、オリジナル企画の展覧会をさせていただけることになりました。
今回の展覧会は、「まなざしの源泉」というサブタイトルにもあるように、みすゞの作品を育んだ背景を考察するというコンセプト。故郷・仙崎の風景、みすゞの家にあったものと同時代のお仏壇、目にしたと思われる書籍などを通して、作品の根底にある文化や宗教観を紐解いていきます。もちろん、みすゞの遺稿手帳(レプリカ)も出品され、「私と小鳥と鈴と」などを手書きの文字で読んでいただくことができます。みすゞ生前の作品掲載誌や、没後の紹介と甦り、その後の広がりまでを実物の資料で展示しています。
この企画が実現できたのは、充実した展示施設と、会の開催にご尽力いただいた龍谷大学の鍋島直樹先生をはじめとするみなさまのおかげです。
特に、立派なお仏壇の前に立つと、みすゞが作品「お仏壇」のなかで描いた「黄金の御殿」そのもので、みすゞの気持ちを体感できるかもしれません。
資料点数320点を超える内容で、ぜひみすゞの作品の魅力を再発見していただきたいと思います。また、ご覧くださる学生さんには、古い資料のなかから、時代を越えて、ご自身の思いにつながる何かを探し出していただけたらうれしいです。