金子みすゞイベントレポート| 2025.03.10

今年もみすゞ忌がやってきました

きょう3月10日は、童謡詩人・金子みすゞの命日です。
95年前に若くして亡くなったみすゞですが、今から43年前に矢崎節夫さんが墓を見つけて以来、墓前にお花が絶えることはありません。
みすゞの墓のある山口県長門市仙崎の遍照寺(へんじょうじ)では、昨日法要が行われました。
あたたかい小春日和となった仙崎、とんびが空高く輪を描いて飛ぶ光景は、みすゞの生活していた時代から変わっていません。
法要は、毎年、金子みすゞ顕彰会が執り行っています。今年も、地元ばかりでなく全国からみすゞファンが集いました。本堂ではご住職の読経と法話のあと、みすゞ少年少女合唱団が歌声を披露。みすゞの作品と共に、みすゞの想いも未来へつながっていくような歌声に参加者が耳を傾ける時間は、毎年の恒例となっています。
その後の墓前での読経では、みすゞばかりでなく、同じ墓に入る、みすゞの弟・雅輔、みすゞの愛娘・ふさえにも、みんなで思いを馳せました。


ところで、長門市では、毎年冬に湯本温泉の音信川(おとずれがわ)のほとりで、みすゞの詩をモチーフにした灯りのイベント「うたあかり」を開催しています。7年目を迎える今年は、みすゞの法要の行われた3月9日までが会期となっており、全国から集まったファンはこのイベントも合わせて楽しみました。
一歩足を踏み入れると、みすゞの作品が日本語、中国語、英語で読まれる老若男女の朗読が流れ、美しい光の演出が路を彩ります。市内の子どもたちがそれぞれの想いを書きこんだ「ひかりのうつわ」がそこかしこにちりばめられ、幻想的な光景の中、故郷のみなさんがみすゞを大切にされていることを感じさせてくれるイベントです。

みすゞの誕生日は4月11日。春はみすゞを思い出させてくれる季節です。
みなさんも、春を感じたらぜひ、みすゞの詩集を広げてみてくださいね。
https://www.jula.co.jp/book_category/misuzu/